見ることができたら、なんだかいい事がありそうで、
うれしくて幸せな気持ちになれる虹。
ハワイには、‘メネフネ’という小さな妖精が
虹を作ったという神話があります。

メネフネは、手先が器用で働き者の小人たち。
なんでも作るのが大得意で、あれこれ一晩で作り上げ
てしまいます。
みんなが眠った夜にだけこっそり出てきてくれるのは、
とっても恥ずかしがり屋だからです。

昔々、ハワイの人びとは、雨が降ると暗い灰色になる
空を見て、寂しく気持ちが落ち込んでいました。
そこでメネフネたちは集まり考えました。
「雨が降るのも楽しみになる、すてきなものを空に作ろう！」

メネフネたちは、空を明るくするための、
きれいな色の材料探しに出かけます。
メネフネたちがハワイのあちこちから集めたのは…
宮殿から、王室のシンボルである赤い羽根、
イリマという植物から、可愛らしいオレンジ色の花、
バナナの木からは、よく熟れた黄色のバナナをそっともいで、
山や谷からは、緑色に茂るシダの葉っぱを腕いっぱいに。
深い海からは、透き通る青い水を、
そして、女王様のドレスから紫色のシルクをちょっとだけ
頂戴しました。

集めた材料をメネフネたちが友人のカフナの元へ
持っていくと、カフナは材料をぐるぐるとかき
混ぜてくれました。
カフナが弓矢の先にそれを塗り、雲に届くまで
空高く矢を放つと…
たちまち空いっぱいに見事な虹が架かり、
メネフネたちは飛び跳ね大喜びしたということです。